》へは火星|人《じん》が大|仕掛《じかけ》の給水《きふすゐ》ポンプで水をくばるといふのぢや
ほんとかしら
うそかしら
○
さあ 夕飯《ゆふはん》がすんだら 今晩《こんばん》はみんなにいいものを見せてあげるぞ
あ、さうだ けふはお父《とう》さんに幻燈写真《げんとうしやしん》を見せていただく約束《やくそく》だつた うれしいなあ
幻燈
まあうれしい 早く見たいわ
[#改ページ]
火星《くわせい》に人間《にんげん》が住《す》んでゐるか
○
これが 火星の運河《うんが》を想像《さうざう》して描《か》いた絵《ゑ》の幻燈だ
うわあ すごいなあ
この太い管《かん》はなんでせう
これが きつと 火星の運河のある所に茂《しげ》つてゐる植物《しよくぶつ》に水を送《おく》る管だ
○
運河《うんが》の長さはどれ位《くらゐ》あるんです
それが大|変《へん》ぢや 何|千哩《ぜんまいる》も続《つゞ》いてゐることになる
そして時々|望遠鏡《ばうゑんきやう》で火星《くわせい》の運河が二本に見える 学者《がくしや》はこれを二|重《ぢゆう》運河といつてゐるんぢや
○
それは、ほんとうに二重でせうか
それはわからん
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