反対者《はんたいしや》もある
これを主張《しゆちやう》する学者は火星にある運河の四|分《ぶん》の一が、二重だといふのぢや
○
お父《とう》さん 火星の人|間《げん》はどんな格好《かくかう》をしてゐるでせうね
それは分らんね 想像《さうざう》もつかん またどんな想像したつてかまはん
足《あし》や手が有《あ》るかも分《わか》らないね
だつてそんな立派《りつぱ》な運河をこしらへるんだもの 頭《あたま》や手はきつと有《あ》るわ
○
さうだ ニャン子のいふ通りだ とにかく何|千哩《ぜんまいる》もの運河を造《つく》つてゐるとすれば 測量術《そくりやうじゆつ》だけは発達《はつたつ》してゐることになる
ソクリョウ術《じゆつ》つてどんなのかしら
ニャン君 きみ、まだしらないのかい
○
ほら よくそとで三本|足《あし》をたてて 望遠鏡のやうなものをのぞいては地|面《めん》や道なぞを量《はか》つてゐる人があるだらう
ああ 分《わか》つたわ
あれだよ 僕《ぼく》なんかちやんと知つてらあ
○
でもね人間の力でなくても 自然《しぜん》の力でも いまここに映《うつ》る位《ぐら》いのまつすぐな運河もできるのぢ
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