ぱりおつた


(ブス ブスン)
あつ これは失敗《しつぱい》
まあ大|体《たい》 けふは天|文台《もんだい》で かういふ風な大さわぎぢやつたんぢや!
まあ ご本が
これはおどろいた


ニャン君 ご主人《しゆじん》の おへやで仕事《しごと》だ 仕事だ 早くきて手|伝《つだ》つておくれよ
ご用
いいわ 手伝つてあげるわ


大げさね ピチ君 白ハチ巻《まき》なんかして
そういふ君だつて頬《ほほ》かぶりなんかしておかしいよ
や、これ何んです お父《とう》さん
なんぢや


うむ、それぢや それが月|野《の》博士《はかせ》との問題《もんだい》の種《たね》だつたのだ
それは火星《くわせい》の運河《うんが》を写生《しやせい》した絵《ゑ》ぢや
運河といふのは 堀割《ほりわ》りの大きなやうなのですね


さうぢや この運河を望遠鏡《ばうゑんきやう》で見ると この様《やう》に あまり きれいにまつすぐな線《せん》なんで
(火星《かせい》シヤセイヅ)
その運河は何か生物《いきもの》がほつて造《つく》つたのだといふんですね


さうぢやよ 火星に生《い》きものがゐて運河をつくつたといふ説《せ
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