の文化人なるものが、商人にイニシャアチブを握られるといふ現象も起る、従来の漫画家の場合は、それが最も極端に現はれ、一冊の漫画ができ上るためには、漫画家は出版屋から、要求される――といふ形式で、実はさまざまの牽制をうけてきたのである、漫画家が気品のある漫画を描いたときは、それは売れないといふ理由で、卑俗な漫画の形式へ復帰逆戻りさせられたり、画中の人物を乱暴に扱ふ仕組みは歓迎された、画中の主人公が無人島に漂着する、猛獣が現れて、この太郎少年を脚で跳ねとばす、すると少年はきまつて椰子の幹にぶつかると、上から椰子の実が落ちてきて、下の太郎少年の頭にあたり、少年は『テヘッ、いてイ』(痛い)と叫ぶ、このやり口は殆んど常套手段である、
漫画の教育的意義などは、どこにも発見できない、丸髷の奥様が、乳房を露出して海水浴をしてゐれば、蟹が泡をふいてそれを見物してゐるといふ野卑なものから、『アリャリャ』『アタタタタ』『ウヘッ』『テヘッ』『ヱヘヘヘ』『ヒャア』『アレレ』『ウワッ』『チヱッ[#「ヱ」は小文字]』などの愚劣な感動『止まれ』といふべきところを『トトトト止まれ』といひ『大将』といふべきを『タタタタ大
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