にかぎるまい、政府と接触する民間団体の中には、単なる『座談会用の人間』がまことに多いやうにも見掛けられる。
 子供読物の浄化座談会では、教育者が実状とは全く遠い現象的な改革意見をのべる、すると座談会に参加してゐる、世間的にも有名な漫画家が『どうも漫画といふものは、教育と背中合せの所がありますね――』などとお座なりな意見をのべて、そこで一同がまた笑ふといふ状態である、大部分の漫画家の文化的水準の低いことはお話にならない、これまでの赤本漫画や、絵本の作画家は、その低俗な意味に於いて、出版業者とよくウマがあつてゐた、現在までに卑俗性を高揚させるには、前述の漫画家の座談会での発言のやうに、『漫画といふものは教育とは背中合せだ――』といふ意見通りにやつてきたのである、浄化がこゝまでに到つても、まだ子供読物は反教育的であつて構はぬなどといふ、無理論な漫画家が現在でも少くない。
 しかも文学者や、科学者や、画家、教育者などは、商人よりは文化人であるといふ意見は、常識的に通用することである、しかし温ま湯のやうな低い文化性などは、商人の現実からの反映の敏感さで、割り出された、現実的行為の前には、往々にこ
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