べきだ
○…「鳴干九皐」(宮内省御買上)などの過去の作品がある、白鶴三羽を描いたものだが、この作品の緊密感は、塩が利いてゐるといふ形容よりも、ニガリが利いてゐると言つていゝほどぴりつと緊つた作品であつたが、彼がピリッとしたニガリ的なものを喪はぬ間は、人気の落ちるやうなこともあるまい

    横山大観小論

○…大観が画学生時代には彼はことごとに仲間の意表にでて、帽子などヒサシの直径六尺のを冠り、のつしのつしとのし廻つたもの、若いときから大きなことが好きであつた、大観の画壇的動きの大きさは、ちよつと他の画家の真似の出来ないものがあらう。
○…もつとも明治三十一年に当時の東京美術学校々長岡倉覚三氏と日本美術院を創設したり、大観の過去の画業を系列的にみると、なかなか俗にいふ世の中につくし、画壇につくしてゐる、大観に活を入れてもらつて、蘇生した画家がそこいら辺りに居さうな気がするがどうだらう。
○…ところがこの画家位、悪評野に満ちてゐる人は少なからう、絵を依頼して断られた腹いせに悪くいはれることも数多ければ悪評は高いわけだ。
○…しかし大観はそんな場合、美術雑誌や画商のために創作の情熱は決し
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