ふ材料は日本の伝統的なものだけ、新味と新解釈が加はらねば意味がない。
△勝田哲――『茶室』女の指の先に朱をさしてゐるが、その割に顔に若さが現はれてゐない。
△遠山唯一――『木馬ひき』谷の上で木を曳く労働婦人を描いた良いテーマ、たゞ危険な仕事に擁る女の悲惨を感じさせる、絵の実感の効果であらう。
△三宅凰白――『雪合戦』洒脱な線で子供の生活をよく出してゐる、デッサンも確かであり、詩情も豊かである。
△寺島紫明――『朝』すぐれた意図がある、一人の女はレースの腰巻を露出して指を組んでゐる、一人は股に手をいれ一人は履物に指をやつてゐる、額に頭痛膏をはつてゐる、愚鈍な救ひ難い女の生活の三態でその個性が各自よく出てゐた。
△田岡春径――『南総宮谷の秋二題』色感及び線の動きの特長も日本画としての優れた点がこの辺にあらう、たゞ淡彩から極彩へ移るときに失敗がある。
△谷角日娑春――『一日一話』母は良く描けてゐたがモダン娘は足の割に顔が小さきに過ぎる、表現化が深慮に過ぎた。
△菊地契月――『麦ふるひ』左に農具の一端を描いたのは味噌である、伸びきつた姿の農婦もよく、落ちてくる麦の色彩の掴へ方も優れ袖のきれめに
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