といへよう、それを指導してゆく諸幹部また、新しいリアリズムに対する理解がおそろしく欠けてゐるといふことが、この団体を全般的に硬直化させてゐると思ふ。
春陽会の評
△高木勇次氏――「切断」倉庫街での鉄材切断を描いてゐるが、物質を切断するといふことに対する鋭敏感は認められるがそのために描写法を鋭敏にしなければならないといふ考へ方が既に古いのである、新しい写実家は、そこのところを描法を感性的にせずに、四つに組んでゆくといふ点にある、テーマも良し、感覚も鋭いが、それだけでは駄目なのである。
△新沼杏一氏――『冬の夜』少女達が手芸をしてゐるらしい絵、ケンランたる色彩といふより、ケンランたる現象、我々の視覚をまどはすために仕組まれた絵。
△二見利次郎氏――『作業』の鈍重感は成功してゐる。
△小穴隆一氏――絵の仕上げの丁寧さ位よりとるべきものなし。
△木村荘八氏――『浅草元日』『幽霊せり出し』等の所謂氏の芝居絵である、幽霊せり出しはテーマは賛成だが、氏にして良くロートレックやドガのやうに、この種の社会を庶民的テーマとして引き下げる力があれば面白いが、芝居道の肯定者らしい態度が妙に美しいも
前へ
次へ
全419ページ中326ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
小熊 秀雄 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング