といふことがある、実に上手に描ききつてゐる、これでもか、これでもかといつた絵である、しかし私はさういふ絵を見せられると『それがどうした!』と言つてやる、上手さばかり追求しても、自づからそこに限界があるからつまらぬ、それよりも鷹揚な美点をもつた絵が良い。
◇
私は描いてゐて『技巧』が入れば、いやに癇癪が起きる、他の人は却つてこれが都合が良く思ふらしいが!
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画家と時世に就いては――ずつと絵をやつてくると、住むところと時代や階級で、生れ変つて来なければどうにもならないものがある。もつとも私は自分の絵でも、自分が描いたと思つたら大間違ひだと考へてゐる。
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画家は環境を否定することはできない、自分だけといふわけにはいかない。
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画はやり易い方法でやつた方が出来が良い、絵になつてから結果がよい。
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理想と実際とは逆な場合が多い、ちぐはぐになつていける人は幸せだ。
◇
理詰めで解決しないで、なるべく仕事で解決したらいゝ、理論や理屈の多い人は、さういふことが自分で気持をこはす種になつてゐるのではないか。
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大勢で絵をかく
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