インテリゲンチャ[#「インテリゲンチャ」は底本では「イテテリゲンチャ」]のやうな青年がならんだ絵だ、この人の作品には何時も強いヒュマニティがあつて好感がもてる、若い世代のリアリストとしては画風の上では古いが、作意の上では新しい。
○北川民治[#「北川民治」に傍点]氏――『メキシコタスコの祭日』其他で相当楽しませてはくれたが、この画風で日本の現実を描き得たらすばらしい、然しまづそれは不可能に近い、形式といふものは、そこに内容的に盛りあげる現実の種類によつて、最初の形式のまゝで保ちきれないものである、氏は旅行者であるかぎり、メキシコの現実を生々しく描くことが出来た、(それは真個《ほんと》うのリアリティとしての描法でなく、異国主義的見方としての写実性である)然し日本へ帰つてきた北川氏は、その瞬間から異国主義者を停めねばならない、旅行者を停めたのだ、色調や、画風の一切の組立を新しくしなければならない立場に立つ、外遊してきた先方ですぐれた絵を書いてきて、日本に帰つてきた途端に一切を失つた画家が少くない、環境に沈潜して、客観的視野を失つたためである、この異色のある自由人北川氏に、更に異色のある態度
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