、絵を描く本能があゝしたテーマに動くとすれば低徊な趣味といふより他はない。
第六室
児島善太郎[#「児島善太郎」に傍点] 残念ながらブルジョア的要素を洗ひ切ることができてゐない。進歩性が少ないといふことは、絵を見るよりも、その絵を収めてゐるガクブチを見ればそれを雄弁に語つてゐる。
熊谷登久平[#「熊谷登久平」に傍点] 「夕月」「五月幟」「朝顔」その出品画や画題を見ても判るとほりすこぶる日本的な作家である。会でこの作家に「海南賞」を出した気持が判らぬが、賞は秀作に出すものだから、きつと秀れた作品といふのだらう。
第七室
この第七室辺りから独立展も少し見応へのある作品がチラホラと列んでゐる。
松島一郎[#「松島一郎」に傍点] 「靴屋」「豚屋」「港の人夫」「崖風景」この人には「崖風景」のやうな落着いた仕事をもつと拝見したい。靴屋人夫必ずしも風景より時代性に富むものとは考へられない。松島一郎の場合、テーマに特別の野心があるのが、却つてこの人の才能を殺し才能を半減してゐる。もつとスローモーションで結構だから、描く対象と取り組んだ仕事をしてほしい。
第八室
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