たい気がする。(申込み九条十五丁目右八号僕宛)
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旭ビル楼上の白楊画会評

 旭ビル三階で来月一日まで開催の旭師白楊画会を観る何れも新進の気に満ちたもので入場者も相当あつた。
 佐藤熊蔵君『机に倚れる幼女』面白し、さてその珍奇さから眼を転じてその内容的に包含されたものを探し出して見る場合、実質に於ての物足らなさがある。傾向としても現在の処あれまでの飛躍や転換を試みることはちよつと危険であり過去の仕事にもつと執着をもつ必要がある。だが君は努力家であるから、自己の路をぐん/\開拓して行くことゝ思ふ。総じて色彩の飽和に乏しいのが難だが真剣さが何より心強い。
 西島藤夫君『春の川』この画|幻《おぼ》ろげながら筆者のその企てを感ずることが出来るが佐藤君程強調された個性が息づいてゐない。だがこの人も真面目さを窺はれて嬉しい『初秋』『牛朱別風景』すぐれてゐる。
 石附省吾君『ダリヤ』熱はあるが色調のこなれてゐないのが残念だ、背景や敷物の描法など幼稚で今少し研究を要する、『百合子さん』の絵はデッサンが狂つてゐるし、稀薄な感じがするが、もう一苦労がほし
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