、手品師で飯を喰つてまゐりました。
 ――それでは七面鳥に化てごらん。
 ――へい、そんな事は容易《たやす》いことで。
 ――手品師、蟇に化けてごらん。
 ――へい、そんなことは、尚更楽なことで。
 ――それでは、烏になつてごらん。
 ――へい、なほ楽なことですよ。
 手品師は、手品の種を無くして、途方にくれながらも、かう言ひながらしきりに思案をいたしました。
 ――手品師、お前は手品の種を、なくしたんだらう。
 かう見物人の一人が言ひましたので手品師は
 ――いかにも、みなさん、わたしは手品の種を失ひましたが、種なしでも上手にやつてのけませう。
 と言ひました。
 青い街の人々は、一度に声を合せて笑ひました。
 手品師は、そこでその橋の欄干の上に、立ちあがつて、水もなんにもない石畳の河底につくまでに、黒い大きな蝶々となつて舞ひあがり、もとの橋に戻つて見せようと、見物人に言ひ、そして橋の上から、ひらりと、眼もくらむやうな深さになる河底めがけてとびをりましたが、手品師は黒い蝶々にもなれずに、一直線に河底に墜ちてゆきました。
     *
 ――やあ、手品師が死んでる。
 青草の上に、冷め
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