ぬ。
[#ここで字下げ終わり]

小熊(8)[#「(8)」は縦中横]人間の行ひ為すことの
[#ここから3字下げ]
一切を肯定しようとする
恐ろしい考へ方のために
われわれは敵に
奇襲される
そして時には敗北する
ただそれを悔いないだけだ、
幾度も襲はれ
幾度も敗れ、幾度も勝つ、
この繰り返しの敢行よ、
なぜ後悔しないか、
それは新しい道徳のために
奉仕することができるためだ、
古い道徳に
新しい道徳を対比せよ。
[#ここで字下げ終わり]

    作品第三番    九月二日

雷(1)[#「(1)」は縦中横] 精神の圧迫されることは
[#ここから3字下げ]
肉体の笞撻[#「撻」に「ママ」の注記]されるよりも
苦しみを私はよく感ずる
だが、私は屈服の奴隷ではない
若し異郷に客死せねば
或ひは旅嚢を背負つて
どこへも渡つて行かれるならば
行動の自由によつて
種種の太鼓を敲く、
その太鼓の音に
数知れず群衆の
吶喊を昂揚させる。
若しも行動の自由を
奪はれたなら
歯切に拳固で
最後の決闘をやる。
[#ここで字下げ終わり]

小熊(2)[#「(2)」は縦中横]太鼓の打撃の快感よ、
[#ここから
前へ 次へ
全75ページ中65ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
小熊 秀雄 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング