そして農夫のコーラスは
どこからともなくきこえてくる
[#ここで字下げ終わり]

    作品第二番    三十一日夜

雷(1)[#「(1)」は縦中横] 我々は
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不同の血液で
共同の敵を爆炸する
炸弾をつくる
不同の言葉で
あらゆる民族の城池を
吹きつぶす颱風を
呼び起さう
統一的なイデオロギーを
もつて自衛し
最も妙な戦術を
もつて攻襲する
我々は世界矛盾
白熱化の焦点に
総爆発する火力を
強く準備する
まるで火事後に
新しい建設を準備するやうに。
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小熊(2)[#「(2)」は縦中横]同じからざる敵を
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同じからざる味方をもつて迎へ撃つ、
炸弾は個性的に
跳ねとぶだらう、
確固不動の
精神に前進を命じよう、
濶達な青年として
たたかふ場所は広い、
撃たれるものも
撃つものも豊富である。
豊富とは美である。
そして地球は丸い
敵味方で充実してゐる、
そこに混迷も暗黒も漂泊も待つてゐる
[#ここで字下げ終わり]

雷(3)[#「(3)」は縦中横] 私はルンペン詩人になりたい
[#ここから3字下げ]
鉄砲のやうなペン
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