寝台の上でも
われわれの肉体は腐らない、
われわれの真理はカビない、
愚劣な堪へ難い夜よ、
早く明け放れてしまへ、
ひきちぎれ
消極的なにがにがしい、
苦悶のヒダ飾りの
灰色のカーテンを、
他人の手を待つ必要はない
我々のすぐ手のとどくところから
我々の手をもつてそれを行動しよう
[#ここで字下げ終わり]

雷(8)[#「(8)」は縦中横] 心配しねえ
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心配しねえ
夢みよ
その真実な夢を。
いや、それのみならず
又、夢からメザマし
大胆で
飛びかかつて来る
虎狼の耳朶を掴んで
そいつの背にまたがつて
腹までにしつかりと挾む。
それから、拳固で
そいつの頭を打ちつぶす、
山山に 野原に
我々のコルホーズを
ひろげよう
大地の涯までに。
[#ここで字下げ終わり]

小熊(9)[#「(9)」は縦中横]幸福な土地への強烈なあこがれよ、
[#ここから3字下げ]
堪へ難い日常生活を
行動への魅力で
救済しようとする
単なる魅力として終るか、
新しい前進の現実を
具体的に土の上に建てるか、
直接クワをふるふか
クワをながめてゐるか、
暗い朝を紫の帯をひいて
雲が走つてゆく、

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