い姓名判断が彼の作品を下落さした。
文体をひねる職人、橋本英吉[#「橋本英吉」はゴチック]
現実よりも美しい小説を書く法などはない。
中条百合子[#「中条百合子」はゴチック]から闘士を見物しようとする
悪い奴が少なくない
精々人情に混線した貴女は美しい。
運命を待つてゐることを知らない立野信之[#「立野信之」はゴチック]
不安なステッキで身の巡りを探つてから
一歩体を出す要領者
呆然としていゐる時間が多い人。
徳永直[#「徳永直」はゴチック]は礼讃者と忠告者とをごつちやにしてゐる
この辺で君は君の名簿を二つに分けたらいゝ、
君の将来と、君の健康のために。
なんて馬鹿丁寧な人生
島崎藤村[#「島崎藤村」はゴチック]のお低頭《じぎ》と謙遜も
度が過ぎれば狡猾となる。
横光利一[#「横光利一」はゴチック]は小道具の波の音でたくさんだつた、
涯々《はるばる》船酔ひを味はひに渡仏した
文学者としても旅行者としても身の程を知らない。
縞ズボンを余りに早く履きすぎた石川達三[#「石川達三」はゴチック]
文学の社交場で息を切らさしてゐる。
文壇の情誼廃れない間は久米正雄[#「久米正雄」はゴチック]は廃
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