し給へ
続け、私の勝利の歌に、
君の歌が、
君の歌に、また私の歌は引継がれる
そして今日我々はバンザイを
揃つて叫ぶことに躊躇するな、
おゝ、友よ、私と共に
ブラボーを絶叫しよう、
君や我々は自分の純情をまもるために
実に立派な狡猾さをもつてゐる、
この狡猾さを
誇示するときに
あらゆる敵はまた好敵手として
敵の狡猾さをもつて立ち現はれる、
古い狡猾に対するに
新しい狡猾さをもつて答へてやるとき
我々の微笑もまた
彼等の眼には鬼のやうに恐ろしく見えるだらう、
更に我々は
この微笑をしだいに
憎悪の表情にかへてゆくとき
彼等の狡猾さは
単なる小賢しさであることを暴露しつゝ
最後の決戦を我々に向つて挑《いど》む
敵の千の表情と
万の感情の種類とを、
我々は我々のものとしなければならない、
単なる純情といふものが、
いかに愚劣であるかといふことに
気づいた瞬間
我々は始めて
戦術家の仲間入りができたときだ、
早く我々はこれらの
幼稚園を卒業しろ、
狡猾、悪行、憎悪、大胆、横柄、執拗
あらゆるこれらの敵のものを
我々のものと、財産としろ、
我々は彼等に
身をもつて接近しなければならない、
そ
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