の鶯の囀るところ。
そこに全露消費組合中央委員会と
その下の組織が
いかに活溌に根強く働いてゐるか、
想つただけでも
俺たちは背中が
ゾク/\とし、勇気づけられる。
俺たちはその国のやうにも、
俺達の国の日消聯を
盛んにしなければならないのだ。


甘やかされてゐる新進作家

いゝ加減怖ろしい現実に
さらに輪をかけろ
亭主の義務を放擲して小説をつくれ
まあ五百枚の小説を毎晩抱いて寝るさ、
一篇の詩を書くために
一家五人が一ケ月飢ゑるもよからう
トウ、トウ、タラリ、トウ、タラリ、トウ
烏帽子姿の三番叟は
批評家の介添つきで
新進の舞台に現はれるのはいつの日か、
いつたい何人の、
これこそ日本に於けるパンフェ[#「エ」は小さい「ヱ」]ロフなりが、
これまで何人現はれたか、
出足が早くて
逃げ足の早いはこの国の作家なり、
大家の推薦、
批評家の保証のなんと
クレヂットの短いことよ
読者の期待がすぐ失望に変つてゆく、
農村調査を口実に
ふるさとへの帰心
矢のごとき作家幾たりぞ、
いやぢやありませんか、
文学は男子一生の仕事なりや否やと
うたがひだすとは
疑ひだすのは小説を書き始めて
からでは手
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