あるかわかる
城の上の一つの雲が
千の雲を用意してゐるやうにもみえて
このあたりの自然は全く美しい、
美と、自然に色々な種類のあることを想ひ起す、
僕は憤怒に憑かれてゐる
華々しい謙譲をもつて
脱落して行く群を祝つてやれ
偉大な秘密をもつことをしない
犬畜生に劣る
明朗さをもつて
或は苦しさうな表情を楽しんで
単純この上もない
心理主義者の群は
いま人生の一隅に押しやられた
あいつ等は後をふりむく
余裕もないほど
時の流れに
身をまかす退却ぶりだ、
彼等の教養がどのやうな
役割を果したといふのか
ただ退却を合理化す言葉を[#「合理化する」か?]
百千、つづけさまに
吐いただけではないか、
労働者よ、
僕の行為を信じてくれ
彼等のために××しより惨酷な詩を
書き飛ばしてゐる今日、
僕の愛の性質は
曾つてこの国に現れたことのないやうな
新しい衣装をつけて
現れたといふことを、
彼等の火傷の上に
酢をたらしてやる
それをじつと僕は見てゐる
貧しいものの
憤怒が僕に憑いたのだ
僕はとつくに復讐戦に
入つてゐるのだから
その惨忍はしかたがない。
俺達の消費組合
俺達は、俺達の消費組合
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