護るために、
そして我々はたたかひに出てゆく、
どうして我々が、怒つてゐる牛と民衆の前で
八百長などやれるなどと思ふな
汗をながして精一杯にたたかふだけだ、
最も敵を猛らすものを
取り出すことに臆病であるな、
赤いマントを、ひいらり、ひいらり、飜へして肉迫するとき
いかに相手のするどい角を避けつゝ
相手を倒すことが
困難であり
技術が要るかを考へよ。
シェ[#「エ」は小さい「ヱ」]ストフ的麦酒
我々は軽蔑されよう、
我々は愚劣さを誇示しよう、
その時、我々はきつと陰気でなく、
機嫌よくそれをせよ、
我々は大胆不敵であるとき
何処からともなく
そよ/\と爽快な風がふいてくる、
心と体とがマリのやうに弾む
我々が道徳を無視する瞬間は
我々は古い船から
新しい船へ飛び移つたときだ、
岸から突き離してしまへ
古い道徳の入つた船を
河がどんなに美しく流れてゐようと、
彼等の眼には愚劣な姿態にみえるだらう、
我々は我々の神経の火花を
河の上の花火のやうに
火薬の爆発の瞬間のやうに
楽しまなければならない、
曖昧でないものはない
君はそれを信じなければいけない、
すべての物がまだ曖昧さにあると
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