のが楽しいのだ。
おゝ、さうだ何事も秘密に、沈着に、根気よく
それぞれの真の種をまくことだ
更に進発しよう、勿論最後の一人まで。
スパイは幾万ありとても
『スパイは幾万ありとても
などて怖れることあらん!』
ブルジョアの歌も
かうして俺たちの側へ模様替へをして見ると
満更捨てたもんぢやねい。
奴等も何やかやと材料を豊富にもつてゐる、
だが鍋は完全に奴等から奪つた
コックが腕利きなら材料は生きるんだ。
仲間よ、元気を出せよ、
忘れるな、鍋がこつちにあることを
煮て喰はうと焼いて喰はうと
こつちの勝手ぢやないか
ただ煮ても焼いても喰へないものに
裏切者とスパイがあるだけだ。
虱をつぶす快感は
何も虱を殺すための楽しみぢやないんだ。
きのふ虱がプロレタリアの血を吸つた
今日その虱しみを
ピシリとつぶす快感さ、
『スパイは幾万ありとても
などて怖れることあらん!』
俺たちは煮ても焼いても喰へない敵を
虱つぶしにする許りさ。
山雀の歌
私はよく囀るヤマガラである、
私は自由を愛するヤマガラである、
私の野のヤマガラであつて、
自然の秩序を愛す、
天空に突入する一本の樹、
私
前へ
次へ
全43ページ中2ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
小熊 秀雄 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング