・ブロージーが会長になった。
かような理由で、ファラデーは会長にはならなかったが、今日でもローヤル・ソサイテーには委員連がファラデーに会長就任を勧めている所の油画がかけてある[#「油画がかけてある」に傍点]。ファラデーになって見れば、会長になったからというて別に名誉が加わりもしなかったろう。却《かえ》ってローヤル・ソサイテーがファラデーを会長になし得なかったことを残り惜しく思うだけである[#「なし得なかったことを残り惜しく思うだけである」に傍点]。また王立協会でも、会長のノーサムバーランド侯が死んだとき、幹事連はファラデーを会長に推選したが、この方も断った。英国科学奨励会の会長にもならなかった。
四九 研究と著書
ファラデーの研究は非常に多い。題目だけで百五十八[#「題目だけで百五十八」に傍点]で、種々の雑誌や記事に発表してある。短い物も多いが、しかし、そういうものの中にも重要なのがある。また金曜講演の要点を書き取ったような物もその中にある。しかし非常に注意して行うた実験もある。
ことに電気に関する実験的研究[#「実験的研究」に傍点]の約三十篇の論文は、その発表も二
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