用をヂューマに見せたときも、実験がすむと、手をこすって、眼は火のように輝き、これを自分が発見したという喜ばしさが、ありありと見えたという話である。
自分の発見だけではない、人の発見した事でも、新しい実験は[#「新しい実験は」に傍点]非常に喜んだ。ヘンリーがアメリカから来て、キングス・カレッジで他の科学者と一緒になったとき、皆が熱電堆から出る電気で火花を飛ばそうと試みた。ヘンリーがそれをやって成功したとき、ファラデーは小児のように喜んで、「亜米利加人《ヤンキー》の実験万歳」と怒鳴った。それからプリュッカーがドイツから来て、王立協会で真空管内の放電に磁石を働かせて見せたときも、放電の光が磁石の作用に連れて動くのを見て、ファラデーはそのまわりを踊って喜んだ。
またジェームス・ヘイウードがイーストパンで烈しい雷雨[#「烈しい雷雨」に傍点]のときに、偶然ファラデーに出逢った。ファラデーは「丁度協会の塔に落雷するのを見た」といって、非常に喜んで[#「非常に喜んで」に傍点]おった。
三八 発見の優先権
発見の優先権については、ファラデーは非常に重きを置いた。ファラデーのように、誠
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