五千ポンドに増す所か、千九十ポンド四シリングから百五十五ポンド九シリング[#「百五十五ポンド九シリング」に傍点]に減じている。これから後は、少し多い年もあり少ない年もあるが、まずこの位で、一八三七年には九十二ポンド[#「九十二ポンド」に傍点]に減り、翌年には全く無い[#「全く無い」に傍点]。一八三九年から一八四五年の間には、ただの一度を除いては二十二ポンド[#「二十二ポンド」に傍点]を越したことがない。さらにずっと少ない年が多い。この除外の年というのは、サー・チャールズ・ライエルと爆発の事を調べて報告を出した年で、百十二ポンドの総収入があった。一八四五年より以後、死ぬまで二十四年の間は[#「二十四年の間は」に傍点]、収入が全くない[#「収入が全くない」に傍点]。
「ファラデーは長命であった。それゆえ、この鍛冶職の子で製本屋の小僧が、一方では累計百五十万ポンド[#「累計百五十万ポンド」に傍点](千五百万円)という巨富と、一方では一文にもならない科学と[#「一文にもならない科学と」に傍点]、そのいずれを撰むべきかという問題に出会ったわけだが、彼は遂に断乎として後者を撰んだのだ。そして貧民と
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