る[#「死んだ後である」に傍点]。それ故、王立協会に実験室のあったということは[#「王立協会に実験室のあったということは」に傍点]、非常な長所と言って宜しい[#「非常な長所と言って宜しい」に傍点]。
しかし時代が移り変って、現今では欧洲の大学には物理や化学の立派な実験室が出来た。その割合に王立協会のは立派にならない[#「その割合に王立協会のは立派にならない」に傍点]。今日でも講義をする場所としては有名であるが、それに関わらず、研究の余り出ないのはこのためである。
一〇 王立協会の内部
ロンドンの中央より少々西に寄ったピカデリーという賑やかな通から北へ曲りて、アルベマール町へはいると、普通の家と軒を並べた、大きなギリシャ式の建物がある。戸を開けて這入《はい》ると、玄関の正面には大きな石の廻り階段があって、その左右に室がある。室には、棚に書物あり、机の上には雑誌ありという風で、読書室になっている。また器械室と小さな標本室もある。さて正面の大きな階段を登ると、左に準備室があって、その先きに大きな講堂[#「大きな講堂」に傍点]がある。講堂には大きい馬蹄形の机があって、その後方
前へ
次へ
全194ページ中21ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
愛知 敬一 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング