大きいのを造ることを考えてくれという注文であったが、ファラデーは他の方面の仕事が急がしいからというて、断わった。それゆえ、大きいレンズを作って、望遠鏡の改良をするというような実用的の成功までには至らなかった。しかし、万事塞翁が馬で[#「塞翁が馬で」に傍点]、未来の事はちょっとも分らぬものである。ファラデーがこの際作った鉛の硼硅酸塩ガラスがある。重ガラスといわれるものであるが、このガラスの切れを使って、後にファラデーは磁気の光に対する作用[#「磁気の光に対する作用」に傍点]や、反磁性[#「反磁性」に傍点]を見つけることに成功したのである。それゆえもしこのガラスが無かったならば、この二大発見はもっと遅れた筈[#「もっと遅れた筈」に傍点]だともいえる。
ガラスの研究をやっておった間にも、ファラデーは他の研究もした。すなわち、ナフサリンを硫酸に溶して、サルホ・ナフサリック酸を作ったり、「化学の手細工」という本を書いたりした。
これで、ファラデーの研究の第一期は終った。この間に発表した論文は約六十で[#「六十で」に傍点]、その中六つがおもなもので、発見としては、化学の方で、ベンジンとサルホ酸
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