一 諸研究
一八一六年に生石灰を分析して、その結果を「科学四季雑誌」に出した。余り重要なものではないが、始めて[#「始めて」に傍点]という意味で、「化学および物理学の実験研究」におさめてある。これより二、三年間は、主としてデビーの研究を助けたり、デビーやブランドの講義の準備に忙殺されていたが、多少の研究は出した。すなわち、毛細管よりガスの流出することに関するもの、発音焔に関する実験、シリウム並びにヴェスチウムの分析等である。一八一九年から翌二〇年にかけては、錆びない鋼鉄を造ろうとし、これに白金、金、銀、ニッケル等のごく少量を加えて、いろいろ試験を施したが、結果は不成功に終り、ただ知り得たのは、鋼鉄は僅少の混合物によって、その性質に多大の変化を生ずるということに過ぎなかった。
この外、塩素と炭素との化合物や、ヨウ素と炭素と水素との化合物について研究し、また木炭より黒鉛をつくる研究もやった。
二 電磁気廻転
一八二〇年は電気学上特筆すべき事で、すなわちエールステッドが電流によって磁針の振れることを発見した年である。
ボルタが電流を発見してから、電流と磁気との
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