切りたる磁気指力線の数に比例[#「磁気指力線の数に比例」に傍点]すというのである。
次に、磁場の強さや大いさを測定するに、この定律を用いて、感応にて生ずる電流の強さの測定による方法を考えた。これらの研究は同年十二月[#「同年十二月」に傍点]並びに翌年[#「に翌年」に傍点][#「に翌年[#「に翌年」に傍点]」はママ]一月に発表し、「電気の実験研究」の第二十八[#「第二十八」に傍点]、二十九の両篇[#「二十九の両篇」に傍点]になっている。
この後一八五二年[#「一八五二年」に傍点]に王立協会にて講演せる「磁気指力線」に関するものおよびフィロソフィカル・トランサクションに出せる「磁気指力線の性質」に関するものは、いずれも有名な論文である。
「電気の実験研究」の第三巻[#「第三巻」に傍点]は上の第十九篇より二十九篇[#「第十九篇より二十九篇」に傍点]までに、今述べた両論文と、前に述べたフィリップスに与えた手紙、それからこの後二、三年間に書いた断篇を収めたもので、一八五五年[#「一八五五年」に傍点]の出版に係り、総頁五百八十八で、第一巻より通じての節の数は約三千四百[#「節の数は約三千四百」に傍点]である。
二二 晩年の研究
ファラデーの研究はこの後にも続き、一八五六年[#「一八五六年」に傍点]には水の結晶を研究し、復氷の現象[#「復氷の現象」に傍点]を発見した。すなわち氷の二片を圧すと固まりて一片となるというので、これは周囲の空気の温度が氷点より少し高くても出来ることである。
一八五九年[#「一八五九年」に傍点]に出版した「化学および物理学の実験研究」は、ファラデーの一番初めに発表した生石灰の分析の研究より一八五七年頃までの研究にて、化学並びに物理学に関した論文をまとめたもので、この外には狐狗狸《こくり》に関する論文もおさめてあり、巻末には「心の教育」という一八四四年五月六日[#「一八四四年五月六日」に傍点]、王立協会にてヴィクトリア女皇の良人アルバート親王、並びに一般の会員に対して講演したものも入れてある。総頁は四百九十六。
実験室手帳によれば、ファラデーの行った最後の実験は一八六二年三月十二日で[#「最後の実験は一八六二年三月十二日で」に傍点]、光に対する磁場の影響[#「光に対する磁場の影響」に傍点]に関するものである。分光器にてスペクトルをつく
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