属[#「金属」に傍点]だと[#「金属[#「金属」に傍点]だと」は底本では「金属だ[#「属だ」に傍点]と」]、固体のときでも液体のときでも、よく伝導してその模様に変りはない。脂肪[#「脂肪」に傍点]だと、固体のときでも液体のときでも、電流を導かない。その他の物体では、固体だと電流を伝導[#「固体だと電流を伝導」に傍点]しないが、液体に[#「液体に」に傍点]なると伝導する[#「伝導する」に傍点]。塩化鉛とか、塩化銀とかいうような化合物は、みなこれに属する。かつ液体になっていて、電流を伝導する場合には、その物が分解して電極に集ること[#「電極に集ること」に傍点]も確かめられた。これらの結果は一八三三年四月[#「一八三三年四月」に傍点]に発表した。(「電気の実験研究」の第四篇[#「第四篇」に傍点])
 ファラデーはなおも研究をつづけて、一定量の電気[#「一定量の電気」に傍点]が同じ液体内を通る場合には、いつも同じだけの作用をすることを確かめた。また液体が分解して電極に集るのは[#「電極に集るのは」に傍点]、電極に特別の作用があって、液体の内から物体を引きつけるためではない。物体が液体になりているとき、既に二種の物に分解している[#「二種の物に分解している」に傍点]ので、電流の通るときにその方向と、反対の方向とに流れ動く[#「流れ動く」に傍点]ため、電極に集るのであることを確かめた。これは一八三三年六月[#「一八三三年六月」に傍点]に発表した。(「電気の実験研究」の[#「「電気の実験研究」の」は底本では「「電気の実験研究の」の」]第五篇[#「第五篇」に傍点])
 次に別種の問題に着手し、金属がガス体の化合をひき起すことを研究した。これは一八三四年正月[#「一八三四年正月」に傍点]に発表した。(「電気の実験研究」の第六篇[#「第六篇」に傍点])
 その年の正月[#「正月」に傍点]の終りから二月[#「二月」に傍点]にかけて、電気分解[#「電気分解」に傍点]に関する大発見が発表された。それは「電気の実験研究」の第七篇[#「第七篇」に傍点]になっているが、まずファラデーは電池の電極を、単に電流の入り口と出口に過ぎないからとて、アノード(昇り道)およびカソード(降り道)という名称[#「名称」に傍点]をつけ、また液体内で分解している物に、アニオン(昇り行く物)およびカチオン(降り行く物)
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