《もつと》も儒教《じゆけう》の方《はう》では孔子《こうし》も怪力亂神《くわいりきらんしん》を語《かた》らず、鬼神妖怪《きじんえうくわい》を説《と》かないが道教《だうけう》の方《はう》では盛《さかん》に之《これ》を唱道《しやうだう》するのである。
[#彫刻に表された化物の写真(fig46337_01.png)入る]
 形《かたち》に現《あら》はされたもので、最《もつと》も古《ふる》いと思《おも》はれるものは山東省《さんとうしやう》の武氏祠《ぶしし》の浮彫《うきぼり》や毛彫《けぼり》のやうな繪《ゑ》で、是《これ》は後漢時代《ごかんじだい》のものであるが、其《その》化物《ばけもの》は何《いづ》れも奇々怪々《きゝくわい/\》を極《きは》めたものである。山海經《さんかいけう》を見《み》ても極《きは》めて荒唐無稽《くわうたうむけい》なものが多《おほ》い。小説《せうせつ》では西遊記《さいいうき》などにも、到《いた》る處《ところ》痛烈《つうれつ》なる化物思想《ばけものしさう》が横溢《わうえつ》して居《ゐ》る。歴史《れきし》で見《み》ても最初《さいしよ》から出《で》て來《く》る伏羲氏《ふくぎし》が蛇身《
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