くものがたり》にも往々《わう/\》化物談《ばけものだん》が出《で》て居《ゐ》る。
日本《にほん》の化物《ばけもの》は後世《こうせい》になる程《ほど》面白《おもしろ》くなつて居《ゐ》るが、是《これ》は初《はじ》め日本《にほん》の地理的關係《ちりてきくわんけい》で化物《ばけもの》を想像《さうざう》する餘地《よち》がなかつた爲《ため》である。其後《そのご》支那《しな》から、道教《だうけう》の妖怪思想《えうくわいしさう》が入《い》り、佛教《ぶつけう》と共《とも》に印度思想《いんどしさう》も入《はい》つて來《き》て、日本《にほん》の化物《ばけもの》は此爲《このため》に餘程《よほど》豊富《ほうふ》になつたのである。例《たと》へば、印度《いんど》の三|眼《め》の明王《めうわう》は變《へん》じて通俗《つうぞく》の三|眼《め》入道《にふだう》となり、鳥嘴《てうし》の迦樓羅王《かろらわう》は變《へん》じてお伽噺《とぎばなし》の烏天狗《からすてんぐ》となつた。又《また》日本《にほん》の小説《せうせつ》によく現《あら》はれる魔法遣《まはふづか》ひが、不思議《ふしぎ》な藝《げい》を演《えん》ずるのは多《おほ》
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