》の觀察《くわんさつ》」これが此《この》根本《こんぽん》であると思《おも》ふ。
自然界《しぜんかい》の現象《げんしやう》を見《み》ると、或《あ》[#ルビの「あ」は底本では「ある」]るものは非常《ひぜう》に美《うつく》しく、或《あ》るものは非常《ひぜう》に恐《おそ》ろしい。或《あるひ》は神祕的《しんぴてき》なものがあり、或《あるひ》は怪異《くわいい》なものがある。之《これ》には何《なに》か其《その》奧《おく》に偉大《ゐだい》な力《ちから》が潜《ひそ》んで居《ゐ》るに相違《さうゐ》ない。此《この》偉大《ゐだい》な現象《げんしやう》を起《おこ》させるものは人間以上《にんげんいじやう》の者《もの》で人間以上《にんげんいじやう》の形《かたち》をしたものだらう。此《この》想像《さうざう》が宗教《しうけう》の基《もと》となり、化物《ばけもの》を創造《さうざう》するのである。且《かつ》又《また》人間《にんげん》には由來《ゆらい》好奇心《かうきしん》が有《あ》る。此《この》好奇心《かうきしん》に刺戟《しげき》せられて、空想《くうさう》に空想《くうさう》を重《かさ》ね、遂《つひ》に珍無類《ちんむるゐ》の
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