んさうむみ》[#「乾燥無味《かんそうむみ》」は底本では「乾燦無味《かんさうむみ》」]のものとなるであらう。隨《したが》つて吾々《われ/\》が知《し》らず識《し》らずばけものから與《あた》へられる趣味《しゆみ》の如何《いか》に豊富《ほうふ》なるかは、想像《さうざう》に餘《あま》りある事《こと》であつて、確《たしか》[#ルビの「たしか」は底本では「たかし」]にばけものは社會生活《しやくわいせいくわつ》の上《うへ》に、最《もつと》も缺《か》くべからざる要素《えうそ》の一つである。
世界《せかい》の歴史《れきし》風俗《ふうぞく》を調《しら》べて見《み》るに、何國《なにこく》、何時代《なにじだい》に於《おい》ても、化物思想《ばけものしさう》の無《な》い處《ところ》は決《けつ》して無《な》いのである。然《しか》らば化物《ばけもの》の考《かんが》へはどうして出《で》て來《き》たか、之《これ》を研究《けんきう》するのは心理學《しんりがく》の領分《れうぶん》であつて、吾々《われ/\》は門外漢《もんぐわいかん》であるが、私《わたし》の考《かんが》へでは「自然界《しぜんかい》に對《たい》する人間《にんげん
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