しか》し凡《すべ》てに共通《けうつう》した手法《しゆはふ》の方針《はうしん》は、由來《ゆらい》化物《ばけもの》の形態《けいたい》には何等《なんら》か不自然《ふしぜん》な箇所《かしよ》がある。それを藝術《げいじゆつ》の方《ちから》で自然《しぜん》に化《くわ》さうとするのが大體《だい/\》の方針《はうしん》らしい。例《たと》へば六|臂《ぴ》の觀音《くわんのん》は元々《もと/\》大化物《おほばけもの》である、併《しか》し其《その》澤山《たくさん》の手《て》の出《だ》し方《かた》の工夫《くふう》によつて、其《その》手《て》の工合《ぐあひ》が可笑《おか》しくなく、却《かへ》つて尊《たうと》く見《み》える。決《けつ》して滑稽《こつけい》に見《み》えるやうな下手《へた》なことはしない。此處《こゝ》に藝術《げいじゆつ》の偉大《ゐだい》な力《ちから》がある。
此《この》偉大《ゐだい》な力《ちから》を分解《ぶんかい》して見《み》ると。一|方《ぽう》には非常《ひぜう》な誇張《こてう》と、一|方《ぽう》には非常《ひぜう》な省略《しやうりやく》がある。で、これより各論《かくろん》に入《い》つて化物《ばけもの》
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