》になつてゐる如《ごと》きである。物《もの》に魂《たましひ》があるとの想像《さうざう》は昔《むかし》からあるので、大《だい》は山岳《さんがく》河海《かかい》より、小《せう》は一|本《ぽん》の草《くさ》、一|朶《だ》の花《はな》にも皆《みな》魂《たましひ》ありと想像《さう/″\》した。即《すなは》ち「墨染櫻《すみぞめのさくら》」の櫻《さくら》「三十三|間堂《げんだう》」の柳《やなぎ》、など其《その》例《れい》で、此等《これら》は少《すこ》しも怖《こわ》くなく、極《きは》めて優美《いうび》なものである。
第《だい》五の怪動物《くわいどうぶつ》は、人間《にんげん》の想像《さうざう》で捏造《ねつざう》したもので、日本《にほん》の鵺《ぬえ》、希臘《ぎりしや》のキミーラ及《および》グリフイン等《とう》之《これ》に屬《ぞく》する。龍《りう》麒麟等《きりんとう》も此中《このなか》に入《い》るものと思《おも》ふ。天狗《てんぐ》は印度《いんど》では鳥《とり》としてあるから、矢張《やはり》此中《このうち》に入《い》る。此《この》第《だい》五に屬《ぞく》するものは概《がい》して面白《おもしろ》いものと言《い
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