《これ》が權化《ごんげ》して千|種《しゆ》萬樣《ばんやう》の變化《へんくわ》を試《こゝろ》みる。ガネーシヤ即《すなは》ち聖天樣《せうてんさま》は人身《じんしん》象頭《ざうづ》で、惡神《あくしん》の魔羅《まら》は隨分《ずゐぶん》思《おも》ひ切《き》つた不可思議《ふかしぎ》な相貌《さうぼう》の者《もの》ばかりである。埃及《えじぷと》のスフインクスは獅身《ししん》人頭《じんとう》である。埃及《えじぷと》には頭《あたま》が鳥《とり》だの獸《けもの》だの色々《いろ/\》の化物《ばけもの》があるが皆《みな》此内《このうち》である。此《この》(一)に屬《ぞく》するものは概《がい》して神祕的《しんぴてき》で尊《たうと》い。
 化物《ばけもの》の分類《ぶんるゐ》の中《うち》、第《だい》二の幽靈《ゆうれい》は、主《しゆ》として人間《にんげん》の靈魂《れいこん》であつて之《これ》を生靈《いきれう》死靈《しれう》の二つに分《わ》ける。生《い》[#ルビの「い」は底本では「き」]きながら魂《たましひ》が形《かたち》を現《あら》はすのが生靈《いきれう》で、源氏物語《げんじものがたり》葵《あをひ》の卷《まき》の六|條
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