を解《と》かんとしたのであらう。
爾來《じらい》地震《ぢしん》の記事《きじ》は、かなり詳細《せうさい》に文献《ぶんけん》に現《あらは》れてをり、その慘害《さんがい》の状《じやう》も想像《さうざう》されるが、これを建築發達史《けんちくはつたつし》から見《み》て、地震《ぢしん》のために如何《いか》なる程度《ていど》において、構造上《こうざうぜう》に考慮《かうりよ》が加《くは》へられたかは疑問《ぎもん》である。
三 なぜ古來木造の家ばかり建てたか
論者《ろんしや》は曰《いは》く、『日本太古《にほんたいこ》の原始的家屋《げんしてきかをく》はともかくも、既《すで》に三|韓《かん》支那《しな》と交通《かうつう》して、彼《か》の土《と》の建築《けんちく》が輸入《ゆにふ》されるに當《あた》つて、日本人《にほんじん》は何《なに》ゆゑに彼《か》の土《と》において賞用《しやうよう》せられた石《いし》や甎《せん》の構造《こうざう》を避《さ》けて、飽《あ》くまで木造《もくざう》一|點《てん》張《ば》りで進《すゝ》んだか、これは畢竟《ひつけう》地震《ぢしん》を考慮《かうりよ》したゝめではなからう
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