勿論《もちろん》である。
要《えう》するに世間《せけん》は未《いま》だ固有名《こゆうめい》なるものゝ意味《いみ》を了解《れうかい》してをらぬのであらう。固有名《こゆうめい》を普通名《ふつうめい》と同《どう》一|程度《ていど》に見《み》てゐるのであらう。
普通名《ふつうめい》は至《いた》る所《ところ》で稱呼《せうこ》を異《こと》にするが、固有名《こゆうめい》は絶對性《ぜつたいせい》のものであり、一あつて二なきものである。
即《すなは》ち日本人《にほんじん》の姓名《せいめい》は唯《い》一|不《ふ》二である。姓《せい》と名《めい》と連續《れんぞく》して一つの固有名《こゆうめい》を形《かたち》づくる。
外人《ぐわいじん》がこれを如何《いか》に取扱《とりあつか》はうとも、それは外人《ぐわいじん》の勝手《かつて》である。たゞ吾人《ごじん》は斷《だん》じて外人《ぐわいじん》の取扱《とりあつか》ひに模倣《もほう》し、姓《せい》と名《めい》とを切《き》り離《はな》しこれを逆列《ぎやくれつ》してはならぬ。
それは丁度《ちやうど》日本《にほん》の國號《こくがう》を外人《ぐわいじん》が何《なん》と呼
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