形を異にして法を説いたことが書いてある、本生經とは印度に昔から物語があつて、日本の勝ち/\山桃太郎のやうな種類のものであつたが、佛は之に因つて其法を説いたもので、古代から人の口に傳はつて來た卑近な物語を佛教的に換骨脱胎したのである、今殘つて居る本生經は隨分澤山あつて、中には非常に面白いものもあり、又詰らぬものもある、又長いのも短いのもありますが、本生經は印度佛教の中に於て一番古いものに屬するのであります、夫から後に五卷書 Pancatratar といふものが出來た、此は南方印度の或國王が自分の子供を教育する爲に、一人のバラモンを頼んで人間の道を教へて呉れと云ふことを任した時に其バラモンが此の書を編纂して教へたと云ふのである、此書の中にも色々な話が書いてあるが全く本生經によつたのである、本生經は佛經的に出來て居るが是はバラモンの書いたものであるから、バラモン主義になつて居る、而して此が世界の文學に於て大變な影響を與へたのである、紀元後五百年頃波斯の王のコスル、ヌシルヴアン(Khosru Nushirvan)と云ふ人が自分の侍醫からして印度には誠に不思議な藥がある、此の藥を飮むと總ての人間
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