が主として此の行をやつたのである、此のバラモンは其の生活を四段に分つ、第一は梵志、梵志は年の若い學問をする時代で、一定の師匠の所へ行きまして所謂バラモンの聖典を習ふ、是を梵志と云ふのは梵は淨業の義、淨業に志すからである、既にバラモン師の處で聖典を學び終ると第二の家長となる、妻を娶つて一家の子孫を斷絶せしめないと云ふことは、印度人に取つては非常に大切な義務である、で此時代には妻を娶り兒を生み其の間己は家長となつて祖先の靈を祀る、其の次が出家の時代、既に一家の相續者が出來、幾らか年が寄りますと其の家は自分の子に讓つて、自分は家を出て山林に入り專心に神に事へる、出家の時は妻と一處に行くこともあり、又獨り行くこともある、第四は隱者と云ふ、年老いて死に近くなると何處ともなく漂泊して歩き、住所不定で往きたい所に行き、哲學的思辨に耽るのである、で彼の行といふことは第三出家と云ふ時代以後にやるので、家で聖書を習つたり或は家長をやつて居る時代は未だ行は出來ない、家を出て仕舞つてから神に誓ひ、色々の苦行に從事することが出來るのである、而して初はバラモンのみが主として苦行に從事したものであるが、後になつては
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