ここに眠っている。
[#ここから1字下げ]
「あの雪の日、このみちのくを立って、私のためになつかしい故郷をすてて、遠い戦場で死んでくれた、百六十余人の平泉の人たちの魂のためにも、私はここの土となってしまいます。
みちのくは私にとって第一の故郷です。私はみちのくへきて初めて渇えていた人間のあたたかい心に充たされたのでした。」
[#ここで字下げ終わり]
 義経はこういっている。
 ああ、みちのくの天地よ、さらば永久に静かなれ。
[#地から2字上げ](第三信・平泉にて)



底本:「村山俊太郎著作集 第一巻」百合出版
   1967年(昭和42)12月20日第1版第1刷発行
   1968年(昭和43)3月10日第1版第2刷発行
入力:しだひろし
校正:土屋隆
2010年2月23日作成
青空文庫作成ファイル:
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