平賀源内捕物帳
長崎ものがたり
久生十蘭
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)匕首《あいくち》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)長々|寄泊《きはく》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「木+霸」、第3水準1−86−28]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)まご/\する
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朱房銀※[#「木+霸」、第3水準1−86−28]《しゅぶさぎんづか》の匕首《あいくち》
源内先生は旅姿である。
旅支度と言っても、しゃらくな先生のことだから道中合羽に三度笠などという物々しいことにはならない。薄茶紬《うすちゃつむぎ》の道行《みちゆき》に短い道中差、絹の股引に結付草履《ゆいつけぞうり》という、まるで摘草にでも行くような手軽ないでたち。茶筅《ちゃせん》の先を妙にへし折って、儒者《じゅしゃ》ともつかず俳諧師《はいかいし》ともつかぬ奇妙な髪。知らぬ人が見たら医者が失敗《しくじ》って夜
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