くお疑いがとけたというわけでございました。……それにもうひとつ、わたくしの身のあかしを立てることがございます。只今のお言葉のうちに、わたくしがじぶんで鮨売になって市中を徘徊したという条《くだり》がございましたが、憚りながら、それは役者というものをご存じのないおかんがえ、小鰭の鮨売の型をとるためなら決して、じぶんで鮨売などにはなりません。鮨売の後からついて歩いて、声の調子やメリハリの細かい勘どころを仔細に見とりいたします。じぶんが鮨売になったのではそういう見とりは出来ません。なにとぞ、そのへんのところも、しかるべくおかんがえあわせくださいませ」
 顎十郎はうなずいて、
「今までつくづく伺っていたが、お前さんの話に嘘はない。……八ツから七ツまでのあいだ、寮にいたかいないか、そんなことはともかく、わたしならば鮨売にはならないだろうというひと言が、お前さん、はっきりと無実を言いといている。……なるほど、こいつは理屈だ。型をとるのにじぶんが鮨屋になるやつはない。もっとも過ぎておかしなくらい。なぜそういうことに今まで気がつかなかったか」
 いつになく殊勝らしいことを言っておいて、
「こうなったら正
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