らない。むやみに人をよせて仕事の邪魔をしたら、かならずなにか仕掛けてくると思っていたら、果して、三日目の夜、ステテンとやっている三人に斬りかかって来た浪人者があった。それを取っつかまえたらすぐ白状した。見こみ通り、狸穴から駕籠でここへ運ばれて来たのは、江戸豊島ガ岡の古墳の下で大仕掛に鋳造している鉛被せ一両小判を一枚二朱ずつで京大坂から買いだしに来た贋金買いの連中だった。



底本:「久生十蘭全集 4[#「4」はローマ数字、1−13−24]」三一書房
   1970(昭和45)年3月31日第1版第1刷発行
入力:tatsuki
校正:門田裕志、小林繁雄
2007年12月11日作成
青空文庫作成ファイル:
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