手紙を書いて南の奉行へとどけてやった」
と言いながら、懐中から手紙をとりだし、
「ところで、藤波というやつの強情には、そうとう磨きがかかっている。まア、これを見ろ」
ひょろ松が、受けとって読んで見ると、救命のご恩義は終生《しゅうせい》わすれないが、そのためにあなたに屈するようなことはない。この次の機会にまた勝負をしよう。今度こそあなたを叩きのめして見せる、と書いてあった。
底本:「久生十蘭全集 4[#「4」はローマ数字、1−13−24]」三一書房
1970(昭和45)年3月31日第1版第1刷発行
入力:tatsuki
校正:門田裕志、小林繁雄
2007年12月11日作成
青空文庫作成ファイル:
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