ってしまうと脅迫され、せっぱ詰まって、命に代えて妹だけを助ける気になり、手紙を衿に縫いこめて、安全な川勝屋に質に入れ、謎の辞世を残して腹を切ってしまったのだった。
長崎屋は、金助町で、顎十郎たち三人の素振に気がつき、隣で立聴きして露見が近づいたことを覚り、邸を出ると飛んで帰って一味を逃がし、利右衛門への仕返しにお小夜を殺して鎌倉河岸へ投げこんだのだった。
女どもの話で、あの優雅な『都鳥』で、自分たちの悲しい織場の所在を知らせようとした智慧のある娘は、利右衛門の妹のお小夜だったということがわかった。
底本:「久生十蘭全集 4[#「4」はローマ数字、1−13−24]」三一書房
1970(昭和45)年3月31日第1版第1刷発行
入力:tatsuki
校正:門田裕志、小林繁雄
2007年12月11日作成
青空文庫作成ファイル:
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