質実剛健、思想堅固|天晴《あっぱ》れ、天下無双の猛牛《トオロオ》に仕立てて御覧にいれますヨ」と、反《そ》り身になった。タヌは、殊勝らしく一礼して、
「それはもう一|切《さい》おまかせいたしますが、どういう修業の方法をいたしますか、念のためにおうかがいいたしますわ」と、いうとチョビ髯先生は、
「いや、そこに如才はありませぬ。論より証拠、この教課一覧をご覧願います」と、差し出したのは、
[#ここから3字下げ、折り返して10字下げ、罫囲み]
七時 起床。
七時半 修身。
八時 繩飛び。
八時半 ランスロット式柔軟体操。
九時 体術《リュット》。
十時――十一時半 銛《もり》打ち。
十二時 昼飯《ひるめし》。
二時 高飛び。
三時 マラソン競走。
四時 馬術。
五時 読心術。
六時 突撃術。
七時 翻身《へんしん》術。
七時半 会話。
八時 就寝。(ただし、通学生はこの限りにあらずと知るべし)
[#ここで字下げ終わり]
一同はつくづく感じいっていたが、やがてコン吉は恐る恐るの体《てい》で、
前へ
次へ
全32ページ中17ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
久生 十蘭 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング