ノンシャラン道中記
謝肉祭の支那服 ――地中海避寒地の巻――
久生十蘭
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)誦《ず》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)二|法《フラン》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]
〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)〔Re^vons〕
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://www.aozora.gr.jp/accent_separation.html
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一、誦《ず》するはこれ極楽浄土の歌。一九二九年二月十日、巴黎《パリ》なる里昂《リヨン》停車場を発したる地中海行特急《ペ・エール・エーム・エクスプレッス》第七九五号列車は、蒼味をおびた夜空に金色の火花を吹き散らしながら、いまや、アルルの近郊《プロヴァンス》に近い平坦な野原に朦朧とたたずむ橄欖《オリーブ》の矮林《わいりん》のそばを轟々《ごう
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