しまったわ。千分の一ぐらいは、それらしいものを含んでいるでしょうが、煎《せん》じつめたところ、天然ウラニウムといっている石ころ同然のものじゃありませんか……ウラニウムにたいする政府の態度がきまらないから、買上げを期待することもできない。何百万もかけて、選鉱と精練の設備をしてみたところが、平和工業に利用できる『二三五』を出すなんて、いつのことだか……それだって、アメリカから原鉱を輸入するようになったら、日本のウラニウムなんか、使いものにはならない……そんなものに、これから先何年か、試掘料と鉱区税を払うのでは、ひきあうもんじゃないから」
 坂田が皮肉な調子で言った。
「私の計算とは、すこしちがうようですね。無価値どころか、役に立ちすぎて困る面があるんですよ。現に、ウィルソンという男が三万ドルで買いかけたじゃないですか」
「偽ドルでね」
「たとえ、なんだろうと」
「偽ドルで結構はないでしょう……山岸の芳夫が、こっちへ持って来るはずのものを、サト子のところへ運んで行ったので助かったけど……」
 由良は説いて聞かせる調子で、
「はじめ、軍票ドルで持って来ましたが、突っ返してやったわ……その軍票は
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